ルワンダのジェノサイド
「1割間引き」(デシメーション)とは10人に1人を殺すことを意味するが、1994年初夏、ルワンダ共和国では大虐殺によって人口の1割が殺された。
殺害はローテクなものだったが(主として山刀(マチェーテ)が使われた)驚くべきスピードだった。
750万人のうち、少なくとも80万人がわずか100日の間に殺された。
ルワンダ国内では死者100万人とも言われているが、こちらの数字の方が正しいかもしれない。
ルワンダの死亡率はホロコースト中のユダヤ人のほぼ3倍に匹敵する。
これは広島と長崎への原爆投下以降、もっとも効率的な大量虐殺だった。
~『ジェノサイドの丘』フィリップ・ゴーレイヴィッチ著 まえがきより~
「千の丘の国」の名の通り、そこかしこに隆起した丘が見え、そのひとつにキガリの街がある。
2013年、キガリの街はウガンダとは対照的に静かで落ち着いた雰囲気に包まれている。
1994年、キガリじゅうの道路がバリケードでふさがれ、道ばたで人が殺されていた。
1994年、ルワンダじゅうで人が殺され続けていた。
新聞もラジオも公然と虐殺を扇動した。
多数派民族フツ族は少数派民族ツチ族を「ゴキブリ」と呼び、片っ端から虐殺した。
フツ至上主義思想に反対するフツ族の人もツチ族の同調者とみなされ殺された。
関心のある方は上記のルポルタージュを読んでみてください。
書評の言葉をかりるなら、
“感傷も気休めもなく、心臓をわしづかみにする。”
本です。
関心はあるけど本を読むのはちょっと、という方は実話をもとに製作された映画
『ホテル・ルワンダ』
をまず観るという手があります。
ホテルマンのポール・ルセサバギナさん(フツ族)が、家族(奥さんはツチ族)や虐殺から逃れてきた難民たちをホテルにかくまい、人脈と機転を駆使して虐殺者達から命を懸けて守り抜こうとする物語。
一見の価値があります。
そして僕は2013年、現実のルワンダにいてこれからムランビ虐殺記念館を目指します。