ルワンダで真夜中の不思議体験。
ブタレへ到着後、歩いて宿を探す。
しばらく歩き、静かな路地の奥に小ぎれいな宿を発見。
一泊の値段を聞き、とりあえず保留にして他の宿も当たろうと思っていたが、フロントの女性が屈託なく
「ここがブタレでベストの宿よ!!」
と宣言する。
確かに部屋もきれいだ。それに彼女の主張が気持ちの良いほど快活だったのでここに泊まることにした。
フロントの女性は部屋の説明をした後、
「ところであなた聖書は読む?」(部屋の机の引き出しに常備されていた)
と聞いてきた。
「読まない。僕は特に宗教を持ってないんだ。」
と正直に言うと本心から残念そうな顔をしていた。
洗濯は旅人の日課。
ひと休みした後、宿から町中とは逆方向へ気の向くままに歩いて行くと絶景が待っていた。
しばらく道端に座って眺めていた。
この辺りが縄張りなのか猛禽類が僕を見張りに来た。
鷲かな?
散策の帰りにまた同じポイントに寄ってみると、暗雲の切れ目から夕日がさしていた。
これはこれで見ごたえがある。
その日の深夜、不思議な体験をした。
就寝後、熟睡していたが突然の強い揺れで目を覚ます。
(時計は見なかったがおそらく真夜中過ぎ頃)
『ルワンダにも地震があるんだな。これはわりと大きいぞ。震度5くらいはありそうだ。』と冷静に考えたのをはっきり記憶している。
揺れがおさまり、特に建物に被害もないのでそのまま再度就寝。
あくる日、フロントの女性に
「昨日の夜中、地震があったね。」
と話すと
「何のこと?」
と怪訝な顔をされた。
発音が悪かったのかと思いメモに”Earthquake”と書いて尋ねても
「昨日は何もなかったわよ。」
と言われる。
この人は眠りが深いのかなと思い、町に出て地元の人複数人に聞いてみたが、皆「知らない。」という答え。
これだけの人が気が付かないのはいくらなんでもおかしい。
その時は相当強い揺れだったので僕は鮮明に目が覚めた。
しっかりと現実に泊まった部屋内を見渡したので決して夢ではない。
気を取り直し、調べるものをするためネットカフェへ。
(日本のようなネットカフェではない。室内にただ机と年季の入ったパソコンが並んでいるだけ。)
[Yahoo japan]
と検索すると、トップ画面のニュースの1つに目が釘付けになった。
そこにはこうあった。
「三宅島近海で震度5強」
(2013年4月17日)
何とも異様な感覚に襲われた。
念のため断っておくと、僕は霊感もないし幻覚も見たことがない。
それにあれは確かに現実だった。
誰かに説明を求めたかったけど、誰に求めていいのかわからなかった。
まあ仕方がない。
しかしこのたぐいの奇譚、誰でもひとつくらいは経験があるものなんでしょうか。