いざタンザニア。
ギコンゴロから首都キガリへ戻りそこからタンザニアの第2の都市ムワンザへ移動。
この移動もなかなかのものだった。
朝5時にキガリ発のバスに乗車。
乗り換えを2回しムワンザに着いたのは夜21時。
まさに濁流。
国境を越えてから乗り換えた小型ワゴンは本当にすし詰め。
僕の太ももが向かいに座った人の膝で挟まれ動かせない。
しだいに足がしびれてくる。
もぞもぞ足を動かすと隣のおっさんにジロッと睨まれる。
乗客のひとりが何やら文句を言い始め運転手と大声で言い合いをしている。
後ろの席の赤ちゃんが号泣し始める。
突然、雨と言うよりは滝のようなスコールが降り始める。
このタイミングで隣のおっさんが平然と食パンを食べ始め、パンクズが僕の膝の上にポロポロこぼれ落ちる。
もう何が何だか。
ムワンザに着いたのは夜21時なので辺りは真っ暗。
アフリカの夜に足で宿を探すのは無謀なのでバイクタクシーを捕まえ安宿まで案内してもらった。
宿のおやじは何回か言葉を交わし少し親しくなったころ、お客の僕に「金を貸してくれ」と言ってくるダメ男だったけど、どこか憎めないおやじだった。
この子は宿のおやじの娘さん。
無表情で宿の中をトコトコ歩き回る不思議な子だった。
翌日、散歩に出た。
ムワンザはアフリカ最大の湖ビクトリア湖に隣接している。
せっかくなので湖畔に行きたいと思い、その辺の人に道を聞き、教えてもらった方へずんずん歩く。
ずんずん。
キョトン顔の赤ちゃん。
ずんずん。
無人販売所。
ずんずん。
長い坂道を登り切ったのにまだ湖が見えない。
おかしいな。
と思って振り返ってみると遠く真後ろに見えたのはビクトリア湖。
まあこんなもんですかね。