石木ダム問題。
書かなければと思いつつだいぶ遅くなってしまいましたが、僕たちは昨年の10月、定住地探しに長崎県川棚町を訪れています。
町の中心部、直売所や公園、海沿いの道を車で回って見学。
ここまでは可もなく不可もなく、という印象。
最後に棚田を見ていこう、ということで川沿いの道を北上し、途中で右折。
細い田舎道に不釣り合いな大型ダンプと離合し、巨大な採石場を横目に通り過ぎてしばらく行くと、そこには全く予想していなかった光景が。
稲刈り後のきれいな田んぼと、耕作されておらず雑草で荒れた田んぼが混在するそこここに、
「石木ダム建設絶対反対!!」
「故郷を守る反対同盟」
「県職員面会お断り」
などなどの断固たる意思が、大きな看板に赤い字で示されていました。
それは異様な景色でした。
集落内は、怒り・悲しみ・嘆き・戸惑い・不安などのやりきれない感情が煮詰まったような重苦しい空気で満たされているように感じられ、胸が苦しくなりました。
家に帰ってから石木ダム問題について調べてみました。
石木ダムは長崎県と佐世保市が川棚川支流の石木川に計画する多目的ダム。
・石木川が流れ込む川棚川の洪水防止
・隣接する佐世保市の安定した水源の確保
詳細はこちら↓
対して現地住民を含むダム建設反対派の主張は、
・河川改修で治水対策は可能
・人口減少で水需要も減り、ダムは必要ない
詳細はこちら↓
現在、司法の場で係争中です。
さらに奥の集落へ行くと、一面に石積みの棚田。
収穫が終わり、はぜかけされた稲が天日干しされていました。
先人たちが機械もない時代に斜面を切り開き、
水をはるため1枚1枚水平にし、
1つ1つ石を積み、
用水路を整備し、
毎年毎年お米をつくり、
維持してきたこの原風景。