選手兼監督。
こんばんは、今年の目標はしっかり稼いで夏にうなぎを食べ、冬に電動リクライニング式ソファを買うことですミカミです。
おみくじは大吉だったので何だかいけそうな気がします。
さて今日は新規就農がどうして難しいかの一因をつまびらかにしてみようと試みます。
「どぅぅあぁ~ぁぁ~!!」
昨年の4月末の某日、サツマイモ専用畑で僕は断末魔の叫び声と共に地面に倒れ込みました。
『1反半ほどはある畑全面にサツマイモを植えてたんまり収穫してどしどし売ってやるぞ。さあうねたてだ。』
と鼻息荒く管理機を発進させるも、下の方の土が湿った粘土質で文字通り刃が立たず管理機が進まない。
管理機の刃が入らなければ当然うねはたたない。
うねがたたなければサツマイモは植え付けできない。
はい、今年のサツマイモの作付けは終了~。
となった瞬間でした。
にっちもさっちもいかない状況にノックダウンされ立ち上がれない僕。
茫然自失。
このときダウンしている作業員ミカミをよそに経営者ミカミは頭の中で早くも次の算段を考え始めます。
『さてどうしよう。』
『どうすれば損失の最小化ができるだろうか。』
そして至った結論は、
『今年はクワ(人力)でうねたてできるくらい(2~3a)のみ作付けして、あとは来年に向けて水はけ改善策を講じよう。』
というもの。
さっそく経営者ミカミからうなだれ作業員ミカミへ連絡が行きます。
「今日1日は落ち込んでていいから明日からクワでうねたて頑張って。
あとは別の畑で空いているスペースの確認と、水はけ改善にとりあえず緑肥のセスバニアを蒔くから種の注文もよろしく。」
作業員ミカミは
「もうちょっとそっとしておいて欲しかったですけどね。」
とぶつくさ言いつつ了承。
ということが僕の頭の中で起きていました。
そう、このように新規就農者は選手兼監督なのです。
どの品目をどれくらいどこにいつどのように作付けるのか。
それに必要な資材は何か。どこで入手するのか。
今日は何の作業をするのか。天気はどうか。
その作業をして見つかった問題点は何か。改善策はあるか。
生育中の野菜の状態はどうか。追肥はいつするか。
どこにいくらでいくつ売るのか。
今週はプラゴミを出していい日か。
などなど状況を把握・整理・判断しながら日々の作業をしなくてはなりません。
ときどき脳みそをいったん取り外したくなります。
『名選手、名監督にあらず。』
という言葉があるように、選手として優れていても監督として優れているとは限りません。
それはまったく別の仕事です。
作業と経営の両方をしなくてはいけない新規就農者は選手と監督の両方で(かつ同時に)一定以上の成果を出さなくてはならず、ゆえに新規就農は難しいのです。
先日、ヘルメットに長靴姿の僕がサッカー選手のメンタリティについて講演している、という摩訶不思議な夢をおハナさんが見たそうですが、たぶんこの話とは関係ないでしょう。