新規就農どろんこ日記

巡り巡って西の彼方、長崎県西海市で新規就農した有機農家『つむぎ園』の日々のブログ(ときどき27歳のころ世界中を旅した話も)

選手兼監督。

こんばんは、今年の目標はしっかり稼いで夏にうなぎを食べ、冬に電動リクライニング式ソファを買うことですミカミです。

おみくじは大吉だったので何だかいけそうな気がします。

 

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さて今日は新規就農がどうして難しいかの一因をつまびらかにしてみようと試みます。

 

 

「どぅぅあぁ~ぁぁ~!!」

 

昨年の4月末の某日、サツマイモ専用畑で僕は断末魔の叫び声と共に地面に倒れ込みました。

 

『1反半ほどはある畑全面にサツマイモを植えてたんまり収穫してどしどし売ってやるぞ。さあうねたてだ。』

 

と鼻息荒く管理機を発進させるも、下の方の土が湿った粘土質で文字通り刃が立たず管理機が進まない。

管理機の刃が入らなければ当然うねはたたない。

うねがたたなければサツマイモは植え付けできない。

 

はい、今年のサツマイモの作付けは終了~。

となった瞬間でした。

 

にっちもさっちもいかない状況にノックダウンされ立ち上がれない僕。

茫然自失。

 

このときダウンしている作業員ミカミをよそに経営者ミカミは頭の中で早くも次の算段を考え始めます。

 

『さてどうしよう。』

『どうすれば損失の最小化ができるだろうか。』

 

そして至った結論は、

 

『今年はクワ(人力)でうねたてできるくらい(2~3a)のみ作付けして、あとは来年に向けて水はけ改善策を講じよう。』

 

というもの。

 

さっそく経営者ミカミからうなだれ作業員ミカミへ連絡が行きます。

 

「今日1日は落ち込んでていいから明日からクワでうねたて頑張って。

あとは別の畑で空いているスペースの確認と、水はけ改善にとりあえず緑肥のセスバニアを蒔くから種の注文もよろしく。」

 

作業員ミカミは

「もうちょっとそっとしておいて欲しかったですけどね。」

とぶつくさ言いつつ了承。

 

ということが僕の頭の中で起きていました。

 

そう、このように新規就農者は選手兼監督なのです。

 

どの品目をどれくらいどこにいつどのように作付けるのか。

それに必要な資材は何か。どこで入手するのか。

今日は何の作業をするのか。天気はどうか。

その作業をして見つかった問題点は何か。改善策はあるか。

生育中の野菜の状態はどうか。追肥はいつするか。

どこにいくらでいくつ売るのか。

今週はプラゴミを出していい日か。

 

などなど状況を把握・整理・判断しながら日々の作業をしなくてはなりません。

ときどき脳みそをいったん取り外したくなります。

 

『名選手、名監督にあらず。』

という言葉があるように、選手として優れていても監督として優れているとは限りません。

それはまったく別の仕事です。

 

作業と経営の両方をしなくてはいけない新規就農者は選手と監督の両方で(かつ同時に)一定以上の成果を出さなくてはならず、ゆえに新規就農は難しいのです。

 

 

先日、ヘルメットに長靴姿の僕がサッカー選手のメンタリティについて講演している、という摩訶不思議な夢をおハナさんが見たそうですが、たぶんこの話とは関係ないでしょう。

 

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就農1年目終了。

こんにちは、たぎる反骨心でダシを取れ、焦がしニンニク入り豚骨ラーメン好きミカミです。

 

9月に約1年お世話になったアルバイトを退職し、

10月にサツマイモを掘り、

11月にサトイモを掘り、

12月にじゃがいもを掘り、

 

おいおい掘ってばかりじゃあないかと思っていたらあらもう年の瀬。

七転八倒悪戦苦闘しているうちに気が付けば1年が経過していた感じです。

 

うまくいったこと、いかなかったこと、多々ありますがその中を這うように進んで得た手ごたえは、ずしりと重みがあります。

 

専業農家となり、経営計画もブラッシュアップ。

主力品目を10に絞り、作業を効率化。

 

まずは現実的に経営安定を図ります。

(食べ物をつくっているのに) 農業じゃあ食っていけない、などというブラックジョークはもう聞きたくありません。

 

 

さてさて冬野菜は11月からじゃんじゃん収穫出荷を迎えています。

 

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主力10品目の先頭バッター春菊。

発芽にてこずり蒔き直しや草とりなどを経て今度は収穫が間に合わないくらい旺盛に育ちました。

売上も順調。

もう何度も自家製のお鍋に入れておいしく頂いています。

 

 

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こちらも主力の菜花。

本格的な収穫は早春から。

カルボナーラパスタに入れるとトレビア~ンなのでぜひお試しあれ。

 

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 こちらは玉ねぎ。

作付量大幅アップの主力作物とは反対に自家用程度の作付けとなりました。

昨年はそこそこの量を生産しましたが、大量生産仕入れ品に押されて売れ行きが伸び悩んだため今年は販売品目から外しました。

 

このように品目によって作付量にメリハリを出し、作業の優先順位を明確化することでトータルの生産力向上につなげようという考えです。

 

来年はこの方法でどこまで行けるのか

レッツトライ!!

の年です。

 

 

ちなみに今年僕のお料理レパートリーに以下のメニューが加わりました。

 

ジャーマンポテト

・かぼちゃのレモン煮

・焼きうどん

ゴーヤチャンプルー

・大学芋

 

来年は何にトライしようかなあ。

 

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ふむふむ

 

・ズッキーニのアンチョビ炒め

 

なんてオシャレですな。

 

・焼き鮭と青じその混ぜご飯

 

こりゃ絶対うまいだろうな。

しそ作ろうかな。

 

と、こんなところで

とりあえず一旦

良いお年を。

 

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壊れた夏を凌ぎきれ。

こんばんは、車検で家計は火の車、ハートフルセーフティードライバーミカミです。

タイヤ交換が大きなおまけでしたがいたしかたありません。

 

しかし今年は壊れたような夏になりました。

 

尋常ではない暑さ。

(気象庁は「ひとつの災害と認識している。」と発表。)

 

全然降らない雨。

(夕立さえ降らない)

 

かと思えば一部地域に集中豪雨。

 

ポンポンできる台風。

 

 

7月頭の台風は当農園を直撃し、当時売り上げのエースだったミニトマトを壊滅させていきました。

植え付けのタイミングや施肥量など栽培はうまくいっており、あのまま行けばあと車検数回分くらいは収穫できたろうに。

 

ぶつぶつ。

 

ツルが地面を這うマクワウリとカボチャが台風に耐え問題なく収穫できたのでまだ救われました。

 

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今は畑の片付け、耕耘など冬作の準備をしています。

 

 

猛暑と雑草の最凶タッグが農民に与える肉体的・精神的プレッシャーはなかなかのもので、夏バテせずに心折れずにつまりは夏を凌ぎきるのはちょっとしたコツがいります。

 

‟ 準備をしっかりしておく ‟

 

“ 無理をしない ”

 

この2つを実践できれば何とかなりますが言うは易し行うは難し。

 

おハナさんにいたっては暑さからか気圧の変化からか様子がおかしくなってしまい、家の片付けをしてくれている時に、

 

「断捨離ですか?」

と聞いたら

 

銀シャリです。」

と、意味不明の回答。

 

僕は秋が待ち遠しいです。

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