キックオフが遅れた理由はタンザニアならでは。
ムワンザからバスでタボラへ。
オンボロバスは乾いた土の道を、もうもうと土ぼこりを巻き上げながらガタピシ走る。
ところどころガラスのはまっていない窓があるので、車内には土ぼこりをふんだんに含んだ風が勢いよく舞う。
ときどき現れる大きめの凸凹の上を通過すると、現地の乗客でさえ「ワオ!!」と言っちゃう規模のバウンドをする。
ドスン!!
5時間で着くと言われたタボラに8時間かかって到着。
タボラは交通の中継地なだけで特に何てことのない小さな町。
でも何てことのない小さな町を散策するのが僕は好きだ。
宿を確保し荷物を置いたら、よし、出かけよう。
自転車の荷台にあるのは熟れていないバナナ。
このメインストリートだけきれいに舗装されていた。
広場。
良い感じの樹。
電車の駅。
僕はバス移動より電車移動の方が好き。
次の目的地行きの発車時刻を確認。
小さい子を連れたお母さんが道端で売っていた焼きトウモロコシを夕飯代わりに買って宿へ戻る。
翌朝宿をチェックアウト。
電車の発車は夕方。
それまで暇なので駅の近くにある原っぱで寝っ転がって本を読んでいた。
するとサッカーのユニフォームを着た少年たちが続々と集まってくる。
その内のひとりに声をかけてみる。
「これから何があるんだい?」(僕)
「となり町のチームと試合があるんだ。」(少年)
面白そうだから見ていくことにした。
コーチらしきおじさんが現われ、タボラ中学校(仮)の少年たちはウォーミングアップを始める。
この時点で相手チームはまだいない。
タボラ中学校チームのウォーミングアップが終わりグラウンドにスターティングメンバーが散らばる。
同じ中学校の生徒らしき子や近所の人たちなど、観客もぞろぞろ集まってくる。
相手チームはまだ現れない。
不審に思って先ほど声をかけた少年に聞いてみた。
「どうして相手チームはこんなに遅いの?」
すると少年はこう答えた。
「となり町はとても遠いんだ。」
う~ん。
広大なサバンナの広がるタンザニアならではの理由。
結局もうしばらくして相手チームが到着しやっとキックオフ。
試合のレベル自体は決して高いとは言えなかったけど、迫真のゲームは見ていて楽しかった。
タンザニアのサッカー少年たちはミスを恐れておらず、大胆でダイナミックなプレーを選択する。
何回かに一回はそのトライが成功し、ビッグチャンスとなる。
選手たちの懸命なプレーと一進一退の展開に観客も大盛り上がり。
点の取り合いとなった試合は最終的に4-3でタボラ中学校チームの勝ち。
いやいや、いいものを見させてもらいました。
そして試合後お決まりの光景。
僕も少年のころ毎試合後こんな感じでした。
きっとこういう光景は全世界で共通なのでしょう。