難関早くないですか。
こんばんは、いつだって背水の陣ミカミです。
隕石ではありません。
僕の畑の地中から出てきたでっかい石です。
こっちからも続々と出土。
前日まいた苦土石灰をすき込むべく朝トラクターにのって畑へ行き耕耘。
すると『ガコンガコン!!』という嫌な音とともに刃がひっかかる場所が続出。
前回はかなり浅くすいたのでわかりませんでしたが、どうやらこの圃場、土の中に大きな石がゴロゴロ埋まっているようです。
何ヵ所か掘ってみた結果が冒頭の大物たちです。
あんなでっかい石がそこここに埋まっているとトラクターをかけ難いですし、根物野菜(ダイコン、ニンジン、ゴボウなど)がつくれません。
僕は冬作でダイコンとニンジンをつくる気満々でした。
う~ん、困った。
…
あの、難関早くないですか。
就農後、当然いくつも困難が立ちはだかると予想してはいましたが、思ったより早い到来ですね。
と言ったところで石は石のように黙っているだけで解決方法を教えてはくれないので、考えうる選択肢を自分で洗い出して、その中からベストと思われる選択をするしかありません。
①バックホウを借りてきて圃場を全面掘り返し天地返し。大きな石を除去する。
②根物以外を主力作物とし、気がついた箇所だけそのつど石を掘り返す。
③この圃場はスッパリあきらめて他の圃場を借りる。
個人的に③は嫌いですが、経営者としてこの選択肢を外すのは無責任なので入れました。
考察の補足にと、トラクターの刃が引っかからなかった何でもない箇所を掘ってみました。
すると大きな石はなくとも、地表から30cmほど下に礫(小石)の層を発見。
ガチガチの石ではなくトンカチで叩けば割れる程度の硬さ。
土を圧縮したような脆い石ではあるけれど、素手で砕くのは無理。
①の天地返しをしてしまうと、この礫を地表の作土層に露出させてしまう。
ということで①の選択肢は除外。
考えた結果、②でいこうという結論に至りました。
石ゴロゴロはマイナスポイントですが、プラス面にも目を向けると、水はけも日当たりもよく、根物以外の野菜には好条件の畑です。
最初から100点満点の畑などどこにもありません。
今できる作物を生産しながら、圃場を少しずつ改善していくもよし。
ゆくゆく他に根物野菜を作れそうな畑を借りるもよし。
農業においては、完璧を目指すというより、長いスパンでものを見てのらりくらり難所も何とか切り抜ける、そんなやりくり上手さんになるのが長く続けるコツだと思います。
それにコツコツ石を拾えばニンジンくらいはつくれそうです。
名付けて、
『石の上にも三年』
作戦です。
開墾は進むよ。おハナさんの方言も出るよ。
こんにちは、現在地は有機農業のあがりかまちミカミです。
さてさて開墾をどんどんしなくては。
僕の借りた畑は家から車で5分程度の丘の上にあります。
坂を上がり海が見えたら右へ。
木立のトンネルを抜けると畑に到着。
途中木々の切れ目からも大村湾が望めます。
この日からはおハナさんも勇んで開墾に参加。
前日刈ったセイタカアワダチソウを軽トラの荷台に乗せて畑の端へ搬出。
軽トラ山盛り何杯運んだでしょうか。
丸一日かかりました。
ちなみにこの日おハナさんもセイタカアワダチソウの洗礼を受け、鼻水ズルズルくしゃみ連発で作業していました。
翌日は石拾い。
土嚢袋を片手に持ち、ひたすら石を拾って入れます。
袋が5㎏ほどになったら新しいものへ交換。
そしてこの圃場、石が多い。
土嚢袋は30個近い数になりました。(これまた一日がかり)
土嚢袋はマルチをはる際、重しに使ったりします。
それからトラクターで浅く耕し、苦土石灰をまきます。
トラクターは古いけれどまだまだ使えそうなものを中古で安く入手できました。
購入した農機具などについては別途まとめて書いてみようと思っています。
その名の通り、マグネシウム(苦土)とカルシウム(石灰)を含んでいます。
土壌分析の結果、この圃場はpHが4.1と極端に低く、塩基類(石灰・苦土など)が畑に少ない状態だとわかりました。(カリウムは基準値程度含有していた)
これを基準値に近づけるための苦土石灰施用です。
まく量はいろいろ小難しい計算をして決めました。
ざっくり言うと、
“石灰:苦土:カリの比を適正に保ちながらそれぞれを基準値に近づける”
ための量を計算して割り出します。
土嚢袋を10mごとに縦横に配置して100㎡の格子を畑につくり、計算した量を1つの四角ごとへ割り振り、その量の苦土石灰をなるべく均一になるような気持ちを胸にせっせとまいていきます。
これも量があったので結構時間がかかりました。
苦土石灰をまき終わったところでこの日の作業は終了。
1週間ほど休みなしのぶっ通しで開墾を進め、やっと先が見えてきたので、
「明日は朝トラクターで苦土石灰をすき込んでその後は1日休みにしよう。」
と僕が提案。
するとおハナさんは次のような濃ゆい反応を示しました。
「休むと!? 良かった~。君ぜんぜん休まんちゃけん、心配しちょったっちゃ~。」
そう、おハナさんはとっさに本音が出る時、宮崎弁丸出しになります。
新規就農、セイタカアワダチソウの洗礼。
こんにちは、思い立ったが吉日ミカミです。
施工業者さんの都合で、引越し先の長崎の家の改修工事は8月下旬にならないとできないことが7月中旬に判明。
僕は冬作の作付けをする気満々だったので、9月には畑を種まきできる状態にしておきたいところ。
う~む…
そこで思いつきました。
改修工事前に長崎の家に泊めてもらい、荷物の運び込みや畑の準備をしてしまおう。
そして工事の間だけ福岡に戻ってきて、終わったら正式に転居しよう。
ということでさっそく家主さんの許可を得て8月5日から泊まり込みで長崎へ。
積めるだけ荷物を積んで出発。
夜逃げではありません。
下道で5時間。
途中セミが車内に飛び込んできて大暴れしていったことを除けば順調に進みました。
到着し間髪入れずに荷物を運び入れ。
いやはや真夏の移動はなかなか大変です。
翌日は家主さんと事務的な打ち合わせやガスの開栓の立ち合い、ご近所さんへの挨拶、午後は農具と食料品の買い出しでバタバタと経過。
その次の日、家の片づけをおハナさんに任せ僕は畑へ。
ご覧の通りセイタカアワダチソウがぼうぼうです。
こんな状態のところへ刈り払い機を持って突入します。
一列刈り終わったところ。
根元を刈り払っていくと、新規就農を洗礼するかのように2mを超すセイタカアワダチソウが僕の顔面にふぁさぁ~っと倒れ掛かってきます。
それが癪なので午後はイスを持って行ってゴージャスに休憩してやりました。
朝6時から始めた草刈りは休憩や食事、午睡をはさみ夕方6時にやっと終了。
これが刈り終わったところ。
しかし家に帰りシャワーを浴びて一息ついたと思ったらセイタカアワダチソウの復讐が。
「でびしっ!!」
一日中花粉をたらふく浴び続けたので、くしゃみが出るわ出るわ。
「だゃぁぶしょぃっ!!」
このようにして新規就農が始まっております。