出る出る出島。
こんばんは、相撲がわりと好きなどすこいミカミです。
今年はいささか雪の日が多すぎやしないかと思っていますが、そんなこと言っても何も始まらないのでジャガイモの植え付けに間に合わせるべく四股を踏み踏み畑の開墾を進めてごわす。
チェーンソー(買った)で木を伐り、
バックホウ(借りた)で根っこを掘りました。
あとは木と根の残骸を片付け、
掘った穴を埋め戻してトラクターで耕耘。
イノシシ対策の柵も建てました。
元肥も入れ、後はうね立てをすればスタンバイOK。
何とか間に合いそうです。
という事で種イモも佐世保にある種苗屋さんから購入。
「浴光催芽」といって丈夫な芽を出すため数週間日光にあてます。
品種は“デジマ”と“キタアカリ”
立ち合いの出足の鋭さから「出る出る出島」と称された元大関の出島ではありません。
…
じゃがいもの植え付け準備の他にも、
収穫・出荷や開墾をし、
次の作付け計画を練り、
狩猟免許(わな)を取り、
確定申告をし、
と、夏からぶっ続けで忙しくしていた疲れがたたり風邪をひき、
おハナさんにうつし、
それでも畑仕事ばかりしているのでおハナさんにぷんすか怒られ、
反省し、
ストイックになりすぎず、ぼちぼちペースを掴まなきゃいかんなぁ~、と思っているとこです。
しかし「出る出る出島」って秀逸なキャッチフレーズだと思いませんか?
雪と少量多品目栽培と知好楽。
こんにちは、外と家の中の気温があまり変わりませんミカミです。
寝る時は寝袋に入ってから布団に入っています。
家も少しずつ防寒仕様にしていかなくては。
去る1月11日から12日にかけて雪がこんこんせつせつと降りました。
畑は一面雪化粧。
分厚く積もった雪の重みでつぶれないよう、ブロッコリーとキャベツにかぶせていた防虫ネットを取りました。
この雪を何とか切り抜けて大きく美味しく育つんだぞ~。
今回の雪による被害は、大きく育ちいよいよ本格的な収穫モードになってきた菜花が、雪の重みと冷気でぐったりした様子でした。
(積雪当日、竹ぼうきでできるだけ雪は落としたのですが)
弱って新芽が出なくなってしまうか、息を吹き返し元気になるかは今後の経過を見守るしかありません。
それ以外の野菜たちは特に被害はなく無事の様子でした。
『つむぎ園』では
畑全体に同じ野菜を植えるのではなく、
ニンジンの隣は春菊、その隣はほうれん草、そのまた隣は菜花とカブ。
というように
野菜を『少量多品目栽培』しています。
(春夏秋冬トータルで数えると40品目前後になると思います)
少量多品目栽培のメリットの一つに、こういった気候の変化で被害が出ても、全滅とはいかず一部の損失で抑えられる点があります。
言い換えるならば『リスクの分散』です。
大雨、干ばつ、酷暑、冷害、強風、虫、獣、病気、etc…
迫りくる脅威によって、ある作物がダメになってしまっても他の作物でカバーすることができます。
デメリット面を正直に言えば、1品目を畑1面にぶわーっと一気に植える大量生産型に比べ、どうしても作業効率は劣ります。
多様な作物があるので管理も難しいです。
しかし、少量多品目生産のメリットの2つ目に、多品目栽培することで
連作障害を回避できる、
という点もあります。
連作障害とは、
同じ場所で1つ(もしくは同じ“科“)の野菜を作り続けることで、その野菜を狙う特定の病原菌や有害線虫が増えたり、土壌中の養分が偏ったりし、野菜の生育に支障をきたすこと。
例えばアブラナ科の大根、キャベツ、ブロッコリー等を同じ場所に作付けるのは2~3年間隔を置いてからが好ましい、と言われています。
(作物によって間隔の長短あり)
つまりその間は他の科の野菜、
例えば夏にナス科のナスを植え、
その後はヒユ科のほうれん草を植える、
というように作物の科を変えていく必要があります。
これを『輪作』と言います。
少量多品目栽培は多品目であるが故、この輪作に適しているのです。
最後にもうひとつ少量多品目栽培の個人的なメリットをあげるなら、
少量多品目栽培は楽しいです。
栽培管理や輪作パズルは大変ですが、いろいろな種類の野菜たちが育っていくのを見るのは、四季の移ろいや各野菜たちの個性が感じられ、また旬の野菜も畑直で食べることができ、純粋に楽しいです。
論語にも、
「之を知る者は之を好む者に如かず。之を好む者は之を楽しむ者に如かず。」
と書いてあるようです。
つまりは雪さえ楽しんでしまえばいいのですね。
ロゼットに寒じめ。
戌年ですよー。
あけましておめでとうございます。
ラニャーニャ現象なんのそのミカミです。
しかし寒いことは寒いです。
畑では野菜たちも寒さ対策をしています。
例えばこれ。
ほうれん草の葉が上ではなく真横に近い地面すれすれに広がっています。
こっちは11月上旬に収穫したほうれん草の写真。
葉が上に伸びており、現在の横に広がった形との違いが良く分かります。
なぜ寒くなると葉が地面近くに伸びるのか。
地面近くの方が温かいからです。(地面が地熱を蓄えている)
この形状の事を『ロゼット』と言います。(『バラ』の意)
冬を越す越年生植物に良く見られます。
ロゼットほうれん草。
名前はカッコいいのですが、難点が1つ。
袋詰めがまあ大変。
ほとんど真横に葉を広げなさったほうれん草を5~6束まとめて繊細な茎を折らないよう優しくギュッとまとめて袋に入れるのはこれ一苦労です。
でも寒くなってからのほうれん草はより一層美味しいですよ~。
寒さにあたって甘みが増しています。
なぜ寒さに当たると甘みが増すのか。
野菜の体には水分が多く含まれています。
ご存知の通り水は0℃を下回ると凍ります。
ほうれん草はあいや~凍っちゃ困ると体内の糖分を増やし寒さに耐えます。
水の凝固点(凍る温度)は0℃ですが、砂糖水は0℃でも凍らず、もっと低温まで液体でいます。
ほうれん草も理科の授業で習ったのかこの仕組みを利用して冬をしのいでいます。
そんなわけでキンキンに冷えた真冬のほうれん草は甘くなるのです。
これを『寒じめ』と言います。
他にも小松菜やキャベツ、ネギ、ハクサイなどの冬野菜も寒じめによって甘みが増します。
僕はときどき畑でむしゃむしゃと葉っぱを食べて確認しています。
農家の贅沢ですね。
最後に僕のささやかな寒さ対策をひとつご紹介。
洗われたカブがぷかぷかと浮かんでいる右上に注目。
あのお鍋には家の中から持ってきたお湯が入っていて、野菜を洗う冷たい水で手がかじかみみかみになった時にひととき手湯をしてブレイクするのです。
お湯、ありがたや~。
はい。
そんなこんなで今年もよろしくお願いいたします。