幸い鬼は見当たらない。
こんにちは、石頭にならないよう気をつけよういがぐり頭ミカミです。
開墾の進む畑では石とセイタカアワダチソウのごつい根っこ拾い。
炎天下にえんえんと出てくる石を拾い続けたおハナさんは、
「賽の河原のようだ。」
との発言。
幸い畑に石をぼんぼん投げ込んでくる鬼は見当たりません。
石は拾っただけ減ります。
石拾いが終わったら(とりあえず畑の一部のみ)堆肥と鶏糞をまきます。
ラッキーなことに熟成した堆肥を手ごろな価格で提供・配送してくれる堆肥センターが近くにありました。
一輪車でエンヤコラまきます。
鶏糞は安さ重視ではなく品質重視のもの。
一概に鶏糞と言えどエサや飼育環境で品質はピンキリです。
堆肥と鶏糞をまいたらトラクターですきこみます。
浅めに耕耘しましたが、新たに数か所で大きな石が見つかり、スコップで掘り起こしました。
その後は畝たて。
畝たて用管理機の入手が遅れたので、クワによる手作業での畝たてです。
それから畝の整形。
表面を平らにならし、肩と畝溝をしっかりつくります。
そして水をまいてから透明マルチを張りました。
そう、僕は太陽熱養生処理がしたかったのです。
太陽熱養生処理とは、畑にとっての有用微生物たちが活発に活動できる環境(温度と湿度)をつくり出し、有用微生物たちに土をフカフカに(団粒化)してもらう、という技術です。
大雑把に言うと、
“土ごと発酵させる”
イメージでしょうか。
ついでに高温状態が続くので、雑草の種も死滅し、しばらくは雑草が生えてこないという特典付き。
労力とコストは若干かかりますが、リターンが大きいと見て試そうという気になりました。
微生物さん達、後はよろしくお願いします。
ここまでが2週間の成果ですが、これぐらいが今の自分の身の丈かな、と思います。
家の改修工事中は福岡に戻らなくてはいけないので日数制限がある中での作業。
草刈りが終わった段階で、
全部一気に開墾すると間に合わないな。
とりあえず圃場の半分だけ植え付けできるようにしよう。
と計画を変更。
なのでこちら側は後で草の搬出作業から。
さらに石がゴロゴロ出てきた段階で、
とりあえず圃場の狭いほうだけでも植え付けできるように。
とまたまた計画を変更。
なのでこちら側は福岡から戻ってから石拾いと堆肥、鶏糞まきをしなくては。
まあ苗ものの定植までに間に合わせればOKです。
このように否応なくPDCAサイクルが何回転もした2週間でした。
プラン!!ドゥ!!チェック!!アクション!!
難関早くないですか。
こんばんは、いつだって背水の陣ミカミです。
隕石ではありません。
僕の畑の地中から出てきたでっかい石です。
こっちからも続々と出土。
前日まいた苦土石灰をすき込むべく朝トラクターにのって畑へ行き耕耘。
すると『ガコンガコン!!』という嫌な音とともに刃がひっかかる場所が続出。
前回はかなり浅くすいたのでわかりませんでしたが、どうやらこの圃場、土の中に大きな石がゴロゴロ埋まっているようです。
何ヵ所か掘ってみた結果が冒頭の大物たちです。
あんなでっかい石がそこここに埋まっているとトラクターをかけ難いですし、根物野菜(ダイコン、ニンジン、ゴボウなど)がつくれません。
僕は冬作でダイコンとニンジンをつくる気満々でした。
う~ん、困った。
…
あの、難関早くないですか。
就農後、当然いくつも困難が立ちはだかると予想してはいましたが、思ったより早い到来ですね。
と言ったところで石は石のように黙っているだけで解決方法を教えてはくれないので、考えうる選択肢を自分で洗い出して、その中からベストと思われる選択をするしかありません。
①バックホウを借りてきて圃場を全面掘り返し天地返し。大きな石を除去する。
②根物以外を主力作物とし、気がついた箇所だけそのつど石を掘り返す。
③この圃場はスッパリあきらめて他の圃場を借りる。
個人的に③は嫌いですが、経営者としてこの選択肢を外すのは無責任なので入れました。
考察の補足にと、トラクターの刃が引っかからなかった何でもない箇所を掘ってみました。
すると大きな石はなくとも、地表から30cmほど下に礫(小石)の層を発見。
ガチガチの石ではなくトンカチで叩けば割れる程度の硬さ。
土を圧縮したような脆い石ではあるけれど、素手で砕くのは無理。
①の天地返しをしてしまうと、この礫を地表の作土層に露出させてしまう。
ということで①の選択肢は除外。
考えた結果、②でいこうという結論に至りました。
石ゴロゴロはマイナスポイントですが、プラス面にも目を向けると、水はけも日当たりもよく、根物以外の野菜には好条件の畑です。
最初から100点満点の畑などどこにもありません。
今できる作物を生産しながら、圃場を少しずつ改善していくもよし。
ゆくゆく他に根物野菜を作れそうな畑を借りるもよし。
農業においては、完璧を目指すというより、長いスパンでものを見てのらりくらり難所も何とか切り抜ける、そんなやりくり上手さんになるのが長く続けるコツだと思います。
それにコツコツ石を拾えばニンジンくらいはつくれそうです。
名付けて、
『石の上にも三年』
作戦です。
開墾は進むよ。おハナさんの方言も出るよ。
こんにちは、現在地は有機農業のあがりかまちミカミです。
さてさて開墾をどんどんしなくては。
僕の借りた畑は家から車で5分程度の丘の上にあります。
坂を上がり海が見えたら右へ。
木立のトンネルを抜けると畑に到着。
途中木々の切れ目からも大村湾が望めます。
この日からはおハナさんも勇んで開墾に参加。
前日刈ったセイタカアワダチソウを軽トラの荷台に乗せて畑の端へ搬出。
軽トラ山盛り何杯運んだでしょうか。
丸一日かかりました。
ちなみにこの日おハナさんもセイタカアワダチソウの洗礼を受け、鼻水ズルズルくしゃみ連発で作業していました。
翌日は石拾い。
土嚢袋を片手に持ち、ひたすら石を拾って入れます。
袋が5㎏ほどになったら新しいものへ交換。
そしてこの圃場、石が多い。
土嚢袋は30個近い数になりました。(これまた一日がかり)
土嚢袋はマルチをはる際、重しに使ったりします。
それからトラクターで浅く耕し、苦土石灰をまきます。
トラクターは古いけれどまだまだ使えそうなものを中古で安く入手できました。
購入した農機具などについては別途まとめて書いてみようと思っています。
その名の通り、マグネシウム(苦土)とカルシウム(石灰)を含んでいます。
土壌分析の結果、この圃場はpHが4.1と極端に低く、塩基類(石灰・苦土など)が畑に少ない状態だとわかりました。(カリウムは基準値程度含有していた)
これを基準値に近づけるための苦土石灰施用です。
まく量はいろいろ小難しい計算をして決めました。
ざっくり言うと、
“石灰:苦土:カリの比を適正に保ちながらそれぞれを基準値に近づける”
ための量を計算して割り出します。
土嚢袋を10mごとに縦横に配置して100㎡の格子を畑につくり、計算した量を1つの四角ごとへ割り振り、その量の苦土石灰をなるべく均一になるような気持ちを胸にせっせとまいていきます。
これも量があったので結構時間がかかりました。
苦土石灰をまき終わったところでこの日の作業は終了。
1週間ほど休みなしのぶっ通しで開墾を進め、やっと先が見えてきたので、
「明日は朝トラクターで苦土石灰をすき込んでその後は1日休みにしよう。」
と僕が提案。
するとおハナさんは次のような濃ゆい反応を示しました。
「休むと!? 良かった~。君ぜんぜん休まんちゃけん、心配しちょったっちゃ~。」
そう、おハナさんはとっさに本音が出る時、宮崎弁丸出しになります。