苗づくり始まる。
こんばんは、先日ジャンパーを洗うことを覚えたミカミです。
冬の間、牧場での仕事中着られていたジャンパーはあらゆる汚れを身にまとい、道に落ちていても誰も拾わないようなひどい見た目でした。
僕は”ジャンパーを洗う”という概念を持っていなかったのです。
『それいいかげん洗えば?』
というおハナさんの鶴の一声によりコペルニクス的転回が訪れ、”ジャンパーって洗っていいんだ”、と気が付いた僕はそのジャンパーを手洗いしました。
思い込みって怖いですね。
さて、研修ではじゃがいもの植え付け、マルチ張り。
マルチの主な効果は以下の3つ
- 防草
- 地温上昇
- 肥料分の流亡低減
3つ目は師匠に教わるまで知りませんでした。
エンドウが大きくなって来たので支柱を立てネット張りもしました。
そしてしばらく前から畑にはヒヨドリ軍団が襲来。
ゆうに20羽はいます。
無慈悲に野菜をバリバリ食べる彼らから生育中の春キャベツを守るため師匠と寒冷紗をかけました。
これがもし無かったら…
こうなります。
無残な姿にされたブロッコリー。(収穫は済)
そしてついに始まりました、春夏野菜の苗づくり。
電熱線育苗が普及している昨今、師匠は踏み込み温床という昔ながらの方法で苗を育てています。
踏み込み温床とは、モミ殻や米ぬか、ワラや落ち葉など身の回りで手に入る資材を混合し踏み込んで、その発酵熱を苗づくりに利用する方法。
温床は使用後、床土や堆肥の材料として再利用します。
師匠はモミ殻:米ぬか:おからを5:1:1くらいで混合。
水をこれでもかと言うくらいたっぷりかける。
これは、メイン資材のモミ殻が乾燥しており、かつ水分を吸収しにくいため。
翌日には60℃ほどに発熱。
数日して40℃くらいに落ち着いたらトンネルの支柱をたてビニールを張って温床の準備OK。
ナスとピーマンの種が第一陣として蒔かれました。
立派な苗に育て、定植する5月までの2ヶ月、温度と水分の管理にいつも気を留めていなければなりません。
温床の温度を2ヶ月間保つため、温度が下がってきたら再度発酵を促す作業(水分補給・切り返し・資材の追加)を随時行います。
ただ、僕が就農してすぐ師匠と同様に苗づくりをするのは現実的ではありません。
(設備面と技術面において)
しばらくは出来合いの苗を4月中~下旬ごろに購入し、大きめのポットに移して仕立て直し、5月に入ってから定植、というのが現実的な線です。
焦らず、できることからコツコツと。
師匠は何度か、
「農業は三代続いてやっと形になってくる。」(師匠は三代目)
「一代目、二代目が、後世になってやっと役に立つことをコツコツと積み重ね、踏み台のような役割をしてくれたおかげで今の自分の農業がある。」
と言っていました。
僕は研修後に新規就農するので一代目にあたります。
踏み台です。
そして結婚前から早くも婚約者の尻の下にしっかり敷かれています。
別に狙っているわけでも、そういう嗜好があるわけでもありませんが、どうやらそういう役回りのようです。