新規就農どろんこ日記

巡り巡って西の彼方、長崎県西海市で新規就農した有機農家『つむぎ園』の日々のブログ(ときどき27歳のころ世界中を旅した話も)

スコップについた土。

こんばんは、サトイモ大好きイモ男のミカミです。

煮っころがされて味がしみ込んだサトイモのねっとり感がたまりません。

 

今回特別にサトイモの全身をお見せします。

 

コチラ。

 

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 葉っぱが大きいですね。

 

イモ部にズーム。

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 親イモの周りにいくつもついている子イモたちを収穫して食べます。

 来年度の親イモにするイモは畑に穴を掘ってそこに埋めておきます。

 

 

サトイモやサツマイモを収穫する時に使う剣先スコップ。 

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作業が終わると師匠はいつもスコップについた土を丁寧に畑で拭い落とします。

最初僕はそれを ”道具を大切にする” 行為としてとらえていました。

 

しかしその見立ては的の中心から外れたものでした。

そのことに気が付いたのは、研修が始まって3か月が経過した去年の秋、11月のことです。

 

その時、

「ニンジンを20本くらい採っておいてください。」

と言われ、師匠が他の作業をしている間に僕がニンジンを引き抜いて収穫。

 

急いで収穫し軽トラの荷台に置かれたニンジンには土がかなりくっついていました。

戻ってきてそれを見つけた師匠は、何も言わず淡々と、幾分悲しそうにニンジンについた土を容器に拭い落として集め、畑へと戻しました。

 

僕はただ横に立ってそれを見ていました。

 

“お百姓さんは作物だけでなく土もつくっている。” 

ことを深く思い知らされる出来事でした。

 

 

そう、

スコップについた土を ”畑で” 丁寧に拭い落とす行為は、

 

“丹精込めてつくった土を畑の外へ極力持ち出さない。”

 

という、お百姓さんの土を尊ぶ精神があらわれたものだったのです。

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移住相談会。

JR博多駅の駅ビルで開催された長崎県佐賀県合同の移住相談会におハナさんと一緒に行ってきました。

 

長崎県内の3つの自治体の移住担当の方に相談。

どの方も丁寧に相談に乗って下さいました。

 

相談の際には、自作した『就農計画概要』の用紙を渡して自分の考え・計画を説明。

これが功を奏し、こちらの本気度が伝わったように思います。

 

僕が作ったのは一見ざっくりした内容の『就農計画概要』ですが、これに至るには紆余曲折ありました。

 

綿密な計画をたててみては、現実に即してないことに何度も気付き、そのつど修正。

技術面、経営面の勉強をしては、それを計画に反映させて修正。

師匠に相談し、アドバイスをもらっては修正。

 

これを繰り返した末にできた産物。

あっちへぶつかり、こっちへぶつかりして少しずつ丸くまとまっていきました。

 

そしてもんもんと悩んだ日々、計画の作成過程も決して無駄ではなく、身となり肉となっているように感じます。

 

 

今回の相談会では有益な情報も得られ、新たな今後のアポイントも取り付け、予想以上の収穫でした。

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行政の移住相談会に行っておいてこう言うのも何ですが、

農地探し、空き家探しをする上でのスローガンはズバリ、

 

「地元のネットワークにアクセスせよ。」

 

です。

 

ひとつの方法として行政側からのアプローチも有効だと思っていますが、地元のネットワークに勝る情報源はありません。

 

福岡~長崎は近くありませんが、足しげく何度も通って現地の生の情報を集めることが必要不可欠です。

 

おハナさんからは、

「君単体だとでかいし見てくれが怖いから警戒されるかもね。私がついていった方が相手の警戒感がだいぶ薄れると思うよ。」

という失礼だけど頼もしいお言葉を頂戴しています。

 

2月にまた2人で長崎へ行く予定ですが、ワイルドなおハナさんは節約のため車中泊も辞さない構え。

さすがに2月に車中泊は寒すぎるのでは、と僕が難色を示し、それより犬のエヘエへ丸が寒すぎるのでは、ということになり何とか今回は回避できました。

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(お前のおかげで今回は助かった!!) 

しぶしぶ折れたおハナさんは、

「3月なら余裕だね。」

と言っていましたが、

『3月もまだ寒いんじゃないかな。』と僕は内心おびえています。

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勉強会。

先日、福岡県有機農業研究会主催の勉強会に行ってきました。

 

勉強会は長崎県佐世保市にある先進農家さんの圃場見学と座学。

 

まずは農園主さんお勧めのお弁当を頂きながら参加者の方々と懇談。

こういった出会いも貴重です。

お弁当もおいしかった。

 

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昼食後、農場主さんが説明しながら圃場を見学。

ほとんどの畑の野菜が炭素循環農法で栽培されていた。

 

ここでは炭素循環農法についての説明は省略。

長くなりすぎるし、正直に言うと僕も『だいたいこんな感じかな?』程度しかわかっていません。

 

参加者の中には現役有機農家さんが何名もいましたが、炭素循環農法に取り組んでいる方はおらず、まだまだ普及の進んでいない技術のようです。

 

でも目の前には立派に育った野菜たちがあります。

 

論より証拠。

 

畑の土も指がスッと入るくらいフカフカ

未知の部分が多くとも可能性も大きな技術だと感じました。

 

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メインの圃場。

 

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にんじん。

収穫の際、力をこめずにスッと抜けた。

 

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たまねぎ。

うね間には排水性改善のためエンバクが。

 

 

農場主さんは食育にも熱心に取り組んでおり、講演のため全国を飛び回っています。

この日も講演のため大阪へ向かう時間の関係で15:45に勉強会は終了。

 

お忙しい中いろいろと刺激になるお話をありがとうございました。

 

 

農場主さんがあげたキーポイントは以下の2つ。

 

・土を発酵型にもっていく

・ミネラルを効かせる 

 

これにより、おいしくて栄養価が高く、無農薬でも虫に食べられにくい健康な野菜が育つ。

 

炭素循環農法はあくまでそのための”手段”です。

 

ここをはき違えると、世にあまたある~農法を知るたびにそれに振り回されることになります。

 

“目的”は健康でおいしい野菜をつくること。

 

ここの農場主さんはその”目的”を達成するのに炭素循環農法が最も有効な”手段”だと判断したからそれを選択しました。

 

僕も今後、勉強を続け、下積みを経て、実践を重ね、少しずつ地道に主体的に自分なりの方法を体系化・確立していかねばなりません。

 

なりませんぞー!!

 

 

ということをマジメに考えてしまった1日でした。

 

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